カウンセラーはただの管理人

 

カウンセリングについて、こんな統計があります。

カウンセリングがうまくいった理由の50%は本人が要因。

残りの20%はカウンセラー、30%は周りの人の支えが要因である。

 

つまり、カウンセリングを受けてよかったという充実感、不安が取り除かれて気持ちが楽になった、変われるという希望が出てきた...など、カウンセリングがうまくいったとき、それはご本人がうまくいく要素をつくりだしているということ。

きっとカウンセリングを受けて、楽になったり、症状が良くなった人は、「カウンセリングで良くなった」「カウンセラーさんのおかげ」と思っている人も多いと思います。

私もそんなありがたい言葉をいただくこともとても多いです。

でも私は、「あなたが治したんだよ」「あなたが頑張ったからだよ」といつも思います。

 

私たちカウンセラーはただのきっかけです。

私たちカウンセラーは、あなたが変わるためのツール。

そのツールをどう使いこなすかは、あなた次第。

 

ツールをうまく使いこなせる人は、人生を変えるのは自分だとわかっている人です。

ツールがうまく使いこなせない人は、人生は誰か(何か)が変えてくれると思っている人です。

 

残念ながら、誰かのアドバイスや言葉で自分は変われる、状況が変われば人生は変わると思っている時は、何も変わらないのです。

誰かのアドバイスや言葉は、外側にあるただのツール。

そして状況の変化も、外側の風景がただ変わるだけ。

「変わりたい!」と、内側(自分)が動き出したときにだけ、人生は速度を増して変化します。

 

変わるのは内側(自分)が動くとき

 

頭ではわかっている人は多いと思います。でも変われない。

それは、本当の意味でわかっていないからです。

まだどこかで、何かが自分を変えてくれると信じているのです。

 

 

カウンセリングの中で、まだ自分が人生を変えるという覚悟がないな、状況が自分を変えてくれると思っているな、と感じるときがあります。

それは、本音を言わない時、プライドが邪魔している時、本当の自分を知りたくない時、カッコ悪くてダサい自分を、自分自身にも、誰にも見せたくない時です。

つまり、自分の弱さ、儚さ、傷、過去、無知を見たくない、見せたくない、ということ。

でもそれは、人生を変えるためには避けられない、認めなければいけないものです。

「そんな自分を認めないと変われないなら、変わらなくていい!」そんな思いが1ミリでもあると、カウンセリングは永遠に成功しません。

そしてカウンセラーには、その思いを取り除くことも、変えることもできないのです。

その思いを自分で克服できたときにだけ、カウンセリングは成功するのです。

これが、成功するカウンセリングの半分(50%)は本人が要因という理由です。

 

では、カウンセリングっていったい何なんだ、カウンセラーの力が20%だなんて役立たずじゃないか、そう思う方もいると思います。

カウンセリングは空間です。

自分の弱さ、儚さ、傷、過去、無知をさらけ出せる、唯一の空間なのです。

そしてカウンセラーはその空間の管理人です。

あなたがどんな弱みを見せても、儚く傷ついていても、泣きじゃくるような過去を思い出しても、恥ずかしい無知を晒しても、あなたの絶対的な味方でいることを約束した管理人です。

だから、カウンセリングは管理人の力だけではうまくいかない。

あなたが本当の自分をさらけ出さない限り、その空間は無意味なものになってしまう。

 

自己変革とは100%自分が変わること。

新しい自分を生きること。

本当の自分と融和すること。

 

カウンセリングはそこに気づくための空間です。

そしてカウンセラーはその空間のただの管理人です。

人生を変えるのは、あなたなのです。