人の意見に揺れるとき

 

多様な生き方が認知されはじめ、これまでよりも自由な選択ができる時代になってきました。

それでもまだ、世間や社会に根付いた意識というのは古いまま残っていることも多いものです。

 

世間や社会は容赦なく「幸せの理想の形」を押し付けてくるし、「正しさとは何か」みたいなことを説いてきます。

私はこれまで比較的自由に生きてきたほうで、いわゆる世間の「普通」とは違う生き方をしてきた部分もあり、さまざまな人から、さまざまにアドバイスをいただきました。

特に、結婚や子どもといったことには、まるで人間のまともさを図るように、「しておいたほうがいい」「産んだほうがいい」といったアドバイスも、多かったように思います。

 

もしあなたが今そんなアドバイスに心が揺さぶられ、不安をあおられるようなら、覚えておいてほしいことがあります。

そんなアドバイスは、何の役にも立たないということを。

 

そのアドバイスは、まだラーメンを食べたことがない人に、「ラーメンは絶対に食べたほうがいい!」といってるのと同じようなものなのです。

その人がなぜまだラーメンを食べたことがないのか、1ミリも考えていないからそんなこと言えるのです。

 

もしかしたらアレルギーでラーメンが食べられないのか、ラーメンに興味がないのか、ラーメンの匂いをかぐだけで気持ち悪くなるということを、何も知らずに「ラーメンは美味しいんだから食べたほうがいい」という浅いアドバイスに過ぎないからです。

 

そしてその何気ない、浅いアドバイスは、時に大きく人を傷つけることにもなります。

人は、いろんな理由で結婚したり、しなかったり、何かできない理由があったり、子どもがいたりいなかったりも、どんな理由があってそうなのかなんて、すべての人が全く同じではないし、本当のことなんて言えない(言いたくない)場合も多いのですから。

 

独身だったら「結婚は?」

結婚したら「子どもは?」

一人目ができたら「二人目は?」

女の子の次は「男の子ね」

 

そんなもの、ラーメン食べたのね!じゃあ次は味噌ラーメンね!

味噌ラーメン食べたなら、次は豚骨ラーメンがいいわよ!

って言ってるようなもので、大きなお世話なんですよ。

 

1杯のラーメンで十分って人もいるんだし、ラーメンより焼きそばがいいって人もいるんだから。

人のアドバイスなんて、その人の正しさや幸せの価値観が反映されているだけのことだから、あんまり気にする必要ないんです。

 

どんなアドバイスを聞くか無視するかは自分次第です。

どんな人のアドバイスを聞くかも、自分で選べます。

私たちは、必要なアドバイスは聞いて、不必要なアドバイスは聞かないという選択ができます。

 

 

それでも揺れたり、不安になるのは、それが世間や社会といった「大多数=マジョリティー」の意見だから。

でも世間や社会は「個=超マイノリティー」である、あなたの幸せの価値観やあなたが何を大切に生きていきたいかなんて知らずに平気で意見してきます。

そんなものに自分の感覚を狂わされているのなら、そんなもの、くそくらえですよ。