自分か、自分以外か

 

私たちの意識の向かう先は二方向しかありません。

自分の「外側」に向かう意識と、自分の「内側」に向かう意識。

 

「外側」とは、自分以外のすべてです。

自分以外の人間(家族も含む)、その人の考え方やものの見方、その人の価値観、そして職場や学校、家庭などの環境も自分の「外側」のものです。

 

「内側」とは、自分のすべてです。

自分の肉体と精神、自分の考え方やものの見方、自分の価値観、そして自分を取り巻く環境に対する反応や感じ方、これまでに培われてきた経験も、自分の「内側」のものです。

 

意識は必ず、この「外側」か「内側」の二方向にしか働きません。

そして意識はエネルギーですので、量的な制限があります。

 

 

例えば、私たちが100という意識のエネルギーを持っているとすれば、「外側」に向かう意識が70だと、自分に向かう意識は30しかありません。

自分に意識を70向かわせていれば、外側に向かう意識は30になります。

 

このように、私たちは常に、「外側」に向かう意識と「内側」に向ける意識の量を調整しながら生きているのです。

 

もし、自分が空っぽだとか、自分がわからないとか、自分に空虚さを感じたり、自分に否定的な感情を抱いているとすれば、それは自分以外の外側に意識が向きすぎて、自分に向ける意識が希薄になっている証拠です。

 

自分よりも外側、つまり人の考え方や人の意見に振り回されたり、人の視線や人の価値観を気にして生きていたり、外側の環境に影響されてつらかったり苦しかったり。

 

しかしそれでは、内側にある本当の自分に向けられるはずの意識が希薄になり、自分は本当はどう感じているのか、どう表現したいのかがわからなくなり、自分らしく生きられるはずがありません。

 

現代社会には、外に意識を向けようとさせるものが溢れています。

メディアやニュース、インターネットやテレビなどもすべて「外側」の世界で起きているものです。

 

 

そして私たちは時に、自分の「内側」で起きている大変なニュースよりも、自分の「外側」で起きているニュースのほうが大事だと勘違いしてしまいます。

 

意識は二方向にしか働きません。

自分か、自分以外か。

どちらを選択するかは、自分次第なのです。

 

 

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