起立性調節障害とPMDD② ~月経との関係性~

 

前回の記事より、起立性調節障害(OD)について書いています。

 

起立性調節障害は10歳ごろから16歳ごろの思春期に好発する、自律神経系(特に循環系)の機能不全です。

実は起立性調節障害(OD)は、男女比が1:1.5 ~2という割合で女子に多いといわれています。

私はこれは初潮を伴うホルモンバランスの急激な変化が影響しているのではないかと考えています。

女性ホルモンは実際には卵巣内(詳細には卵胞)で分泌されますが、そのおおもとの指令は脳の視床下部という場所から出されています。

視床下部はホルモン分泌など多くの役割を持つ部分ですが、「自律神経系の中枢」という大きな機能的役割があります。

 

思春期、特に初潮がはじまる数年前から女の子の体は見た目以上に、大人の体になるための大改革が行われているのです。

ホルモン分泌も急カーブを描いて活発になりますが、視床下部はホルモン分泌のコントロールに加え、自律神経もコントロールしなければならないという多忙な状態になります。

つまり思春期は会社でいうと繁忙期、猫の手も借りたいくらい忙しく、社員一人一人の負担も疲労も増えてしまいます。

 

これはもちろん、全ての女性に起きるシステムですが、生まれつき、つまり先天的体質により自律神経のバランスをとりにくい体質の人もいるのです。

会社でいえば、もともと社員数が少ないところに繁忙期が来てしまったようなもので、さらに社員の疲労も増し、会社がうまく回らなくなる、ということす。

 

 

起立性調節障害(OD)は自律神経のアンバランスで起こりますが、もともと自律神経を調整しにくい体質を持つ人もいます。

私のカウンセリングの経験からも、PMDD(月経前不快気分障害)も自律神経のバランスがとりにくい体質の人に起こりやすい傾向があるといえます。

つまり、PMDDを発症しやすい人は、すでに思春期の時点(小学生中学年ごろから高校生くらいまで)に起立性調節障害(OD)を起こしている可能性が高いのです。

 

20代でPMDDを発症した私自身も、小学生のころから起立性調節障害があったことに、ごく最近気づきました。

しかし当時はそんなことに親も自分も気づくこともできず、「背は高くてスポーツもするのに、なんだか虚弱な子」と周りから思われていたのです。

先天的な体質により、自律神経がバランスを崩して起こる症状を、「本態性自律神経失調症」と呼びます。(これについてはまた詳しく書こうと思います)

本態性自律神経失調症を起こしやすい人は、思春期に起立性調節障害(OD)を起こしやすく、その後PMDDも発症しやすい、という傾向が私のカウンセリングの経験からわかっていることです。

 

また長くなりました。

次回は起立性調節障害に影響されるこころのバランス、についてお話ししたいと思います。

 

 

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OD – 起立性調節障害とPMDD