PMDDの本当の解決法とは
これまで7年間、アメブロでたくさんのPMDDに関する記事を書いてきました。
ただ、新しく認識されつつある病気にとっての7年間はとてつもなく大きい。
PMDDについては、後から研究で明らかになることが本当にたくさんあるので、今になって明らかになることもあれば、まだ未解明の部分が多く、これから本当の意味での理解が生まれるとも思うのです。
現時点では、PMDDのメジャーな発症原因は1か月のホルモンバランスの中で、排卵から月経直前に起きるセロトニンの減少に伴うといわれています。
つまり女性特有のホルモンの働きによる、脳機能の変化がPMDDを引き起こしている。
しかしそれだけでは説明がつかないこともたくさんあります。
なぜPMDDが起きる女性と起きない女性がいるのか、なぜ姉妹でもこんなに違うのか。
それはセロトニンのメジャー理論とは別に、そこに関わってくる多くの潜在的要素が数多存在するからです。
例えば...
自律神経の働き
生活上のストレスによる精神的、肉体的負荷
ACEs(幼少期逆境体験)を有する場合
産後の急激な、ホルモン、肉体、環境の変化
先天的体質(先天的変異や遺伝的要素)
ネガティブな記憶や思考の持続
栄養素の欠落 ...
挙げるときりがないですが、細かいものも合わせるともっと多くの要素があります。
たくさんの要素が複雑に絡み合って、PMDDの症状は爆発的に噴出したり、マイルドになったり、まったくなかったり、ホルモンのバランスに合わせて様々な波をつくりだすのです。
だから、明らかな原因にアタックできる特効薬がない。
私は基本的に、PMDDの発症には3つの大きな要素があると考えています。
1.脳機能
2.体質
3.心理的負荷
この中で処方箋が出せるのは「脳機能」だけです。
PMDDに処方される抗うつ薬(SSRI)も、ピル(低用量ピル)も、脳機能に働きかけてホルモンの調整を行うものです。
もちろん、効果が出る場合もありますし、これで楽になれる人もたくさんいます。
私は薬やピルを否定はしません。
私自身も痛み止めや抗生物質を飲むこともありますし、子宮内膜症を抱えていますので、ピルの選択肢は常にあります。
ただ、PMDDの特効薬としてはどちらもに不十分さを感じます。
それは、「根本解決」にならないためです。
抗うつ薬もピルも飲んでいる間は脳の働きを調整して、症状を軽減してくれます。
しかし、先ほど挙げた様々な他の要因について薬は解決できるでしょうか。
そして薬をやめたくなった時、飲み続ける不安が出てきたとき、どういう選択ができるでしょうか。
それは私たちの選択にゆだねられています。
この時ばかりは医師には決定権はありませんし、医師はアドバイザーになるだけです。
薬でも楽になれればいい、それも答えでしょう。
一時的によくなるだけでいい、それも答え。
飲んでいれば治りそう、それももちろん答えです。
ただ、それでは治らない場合が多いと、私はあえて言いたいのです。
なぜなら私はPMDD経験者として、その全てを試してきたから。
はじめて自分がPMDDではないかと思ったとき、精神科でSSRI(パキシル)とベンゾジアゼピン系抗不安薬(デパス、リーゼ)をもらい、数か月服用しました。
飲んでいる間は一時的に興奮は治まりましたが、それはただ私から気力とエネルギーを奪い、見えない手枷足枷をつけられているようでした。
それでも解決せず、産婦人科でピルをもらいましたが、体質と合わなかったのでしょうか、めまいや吐き気がひどく使用をやめました。
あまりの体調不良からほかの種類のピルを試す気にもなれませんでしたし、そのあたりから薬の限界を感じ始めていたのです。
もちろん薬に助けられている人もたくさんいますし、PMDDを研究し、様々な原因を明らかにしてくれる医師たちを私は尊敬しています。(特にPME「基礎疾患の月経前憎悪」の場合は、ある程度の薬物療法は必要になってくると思います)
しかし、PMDDを解決するにはあまりにも複雑な要素が絡み合っていて、医療の分野だけでは解決しない要素も多いと、経験者の私は思います。
では、PMDDは解決しないのか?希望はないのか?
違います、解決するのです。
ただ、原因は非常に多岐にわたり、複雑に絡み合っているということを理解しなければスタートできません。
PMDDはホルモンや脳の機能だけで起きるのではない、自律神経の働き(これもホルモンや脳の働きのひとつですが...)、心理的な要素、ストレスの度合い、ストレスの種類、人間関係、仕事、出産経験、幼少期の経験、トラウマ、発達障害、血流、先天的体質、睡眠...
本当に様々な原因要素が自分の中に散らばって、その時々で様々な症状の波を作っているのです。
長くなりましたね。
でも、その複雑な要素が自分の中で絡み合っているのだと理解できたときにはじめて、自分からその解決法を見つけに行くための準備ができるのだと思います。
そして私は、誰かがその解決法を見つけたいと求めた時、一緒に解決策を探し出すエキスパートでいたいと思っています。
さ、今日はここまでです。