起立性調節障害とPMDD① ~原因を知る~
最近、ニュースで起立性調節障害について取り上げられていました。
Yahoo!ニュースより:怒鳴っても揺り動かしても起きられない子どもの「起立性調節障害」。立ち向かうには「親の動揺」が大敵
実はこの起立性調節障害は、PMDD発症の観点から見ても無視できない重要な問題として、これまで私も注視してきました。
起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation)とは-
たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴い、思春期に好発する自律神経機能不全の一つ。(一般社団法人 小児心身医学会HPより)
起立性調節障害(OD)の症状は多岐にわたりますが、中でも「朝起きられない」ことが多くみられ、学校に遅刻する、休むなど、学校生活に影響を及ぼすことがあります。
発症年齢としては小学校中学年くらいから高校生くらいで、成長に従って自然消失することもありますが、症状の度合いによっては長期化することも考えられています。
考えられる原因は「自律神経のアンバランス」が関わっており、特に血液循環がうまくいかないことで一連の症状を引き起こすことがあります。
脳血流の低下から起立性脳貧血(立ちくらみ)をおこしやすい、低血圧で朝起きにくい、立ったりや座ったりする姿勢で倦怠感が出やすく、横になっていると楽になる。
特に午前中は調子が悪いですが、午後には交感神経が活発になって活動的になる、という傾向があります。
夜は活発で元気なのに、朝は起きられないしいつまでも寝てる。
これだけ見ると、ただのわがままで怠けているだけ、と捉えられてしまいます。
しかしこれは、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、午前中に調整するには人よりも時間がかかってしまっているだけで、体の中では必死に調整が行われているのです。
特に思春期は様々な性ホルモンや成長ホルモンが大きく分泌を開始し、たくさんの働きを調整するために脳の中は大混乱状態です。
その混乱をうまく回避できる人と、混乱に巻き込まれやすい人がいて、それは生まれつきの体質によるものがとても大きいのです。
しかし原因がわからないと、周りからは「ただのしんどがり」「怠けているだけ」と捉えられてしまい、本人はすっかり自信を無くしてしまいます。
保護者でさえ気づくことができず、どうしても周りの子たちと比べて焦ってしまい、本人を責めてしまうこともあります。
つまり、原因は 成長に伴う自律神経の不安定さ なのに、本人の頑張りが足りない、意志が弱い、怠け者、というレッテルを貼られることで、心まで病んでしまうということが問題なのです。
そして思春期に自信を無くしてしまった心は、その後の人生にも影響を及ぼすことも少なくありません。
長くなりそうなので、また次回に。
次は、起立性調節障害とPMDDの関係についてお話しします。
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