自己理解とは
自己否定よりも、自己肯定よりも、自己理解を。
これは先日、ラジオでもお話したテーマです。
自己理解をすっとばして自己肯定するというのは、自分が乗っている車の、車種も機能も状態も知らずに旅に挑むことと同じ。
自分の乗る車が今どんな状態なのか、故障はないか、タイヤはすり減っていないか、ライトは点くか、何も知らずに旅に出て、「私の車はちゃんと走ってるから大丈夫！」と言ってるようなもの。
しかし旅の途中、周りに比べてスピードが遅くなって、どんどん追い抜かされて、とうとうエンストで止まった時に、「私の運転が下手なんだ」「私には速く走れない」「こんな車じゃなければいいのに」と、人の乗っている車を羨み、自己否定してしまうのです。
でもそれが、ただパンクしかかっていたり、エンジンの故障だったり、ガソリンが少ないとわかったらどうでしょう。
タイヤを取り換えて、エンジンを修理して、ガソリンを足せばいいだけのことで、自分を責める必要などどこにもないのです。
自分がどんな車に乗っているか、その車がどんな状態なのか、それを知るだけで人生の旅はとても快適なものになるはず。
今乗っている自分の車を好きになれなくてもいい、でも懸命に走るその車を嫌いになる必要もない。
つまり、自己肯定する必要もなければ、自己否定する必要もないということです。
ただ自分がどんな車に乗っているのかを知る、これが自己理解です。
人が乗っている車には、乗ることはできないものです。
それぞれが自分だけの車に乗って、人生の旅をしているのです。
ただ、どんな形、どんな大きさ、どんな色をしているのかが見えるだけで、その車が過去にどんな事故を起こし、傷ついてきたか、そしてどうやって修理してきたのかなんて、見た目ではわからない。
ピカピカのスーパーカーで、颯爽と走る車に乗っている人も、昔は故障だらけで悔しい思いをしてきたのかもしれません。
旅の途中で車を停めて、そんなお互いの話をできればとても楽しいですね。
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