死ぬ気はないけど

 

「死にたいと思うだけで、本当に死ぬ気はないんですけどね」

 

これ、カウンセリングでよく聞く言葉です。

死にたい、消えたい、生きていたくない。

PMDDの症状がひどいとき、ここまで自分を追い詰めてしまうこともよくあります。

 

「本当に死ぬ気はない」

そう言っている人、そう思っている人、そしてそう思っていた私。

そんな私たちは、たまたま生き延びただけです。

 

世の中には、本当に死のうと思っていなかったけど、本当に死んでしまう人もいるのです。

ふとよぎった言葉、目に入った風景、一瞬よみがえった記憶がきっかけで、ふと死を選んでしまう時がある。

 

「私なんて消えてしまえばいい」

「私なんて死んでしまえばいい」

自分なんて、自分なんて、自分なんて

自分を嫌悪する言葉や思い、自分を蔑む言葉や気持ち、自分を無視する意識は、ナイフのような殺傷能力を持ちます。

一瞬で自分を殺してしまうくらい殺傷能力の高いナイフを、24時間自分に向けているのです。

 

自分を嫌悪し、蔑み、無視していると、本当に死ぬ気はなくても、死んでしまう瞬間とずっと隣り合わせなのです。

自分を嫌悪し、蔑み、無視している人は、今たまたま生きているだけです。

それだけ殺傷能力の高い言葉や感情のナイフを自分に向けて、常に自分を脅しながら生きているのです。

 

「自分なんて」

この言葉の奥にある、本当の気持ちに気づいてみましょう。

なぜ、そう思うの?

いつから、そう思うようになったの?

そう思っていると、どう感じる?

 

ちゃんと自分と向き合って、心の声を聴いて、本音を知って、ナイフを捨ててしまいましょう。

捨てる勇気がないのなら、そのナイフを私が預かりましょう。

いつか「もういらない」と思える日が来るまで。

 

 

ナイフはね、おいしいもの食べるときに使いましょう。