人間関係における2つのヒント

 

私たちは一緒に時間を過ごす人の影響をとても大きく受けます。

それは家族だったり、友人であったり、上司や教師かもしれない、そして生涯を共にするパートナーかもしれません。

 

私は一緒に過ごす人との人間関係において、重要なことが2つあると考えています。

 

ひとつは、自分の欠点や自分の好きじゃないところを肯定してくれる人と付き合うことです。

逆に言えば、自分の欠点や好きになれないところを咎めてきたり、責めてきたりする人とは一緒にいないほうが良いということです。

 

例えば、人前で話すのが苦手で、言いたいことが言えなくて、いつも意見の強い人に丸め込まれてしまう自分がイヤな場合。

「言いたいことが言えなくても、言わなくていいことまで言って誰かを傷つけるよりいいじゃない」

「それは人の意見が聞けるという、あなたのいいところじゃない」

または単純に、「べつにいいじゃん」って言ってくれるだけでも心が軽くなります。

 

もちろん、自分の中で欠点だと思っていることを、これから克服するとか、変えようと思うかは自分次第です。

でもとにかく、いまのイヤな自分を、いま認めてくれる態度や言葉は本当に心強いものです。

 

 

そしてふたつめは、自分と違う考えや価値観を持つ人と付き合うことです。

これは、考え方や価値観の違いが喧嘩や疎遠になるきっかけにもなりうるので、少し難しいかもしれません。

でも、自分と同じ考え方や価値観を持った人とだけ一緒にいると、自分の視野も考察も広がらず、変化や成長が感じられないかもしれません。。

 

人は知らないうちに「こうあらねばならない」「こうするのがあたりまえ」といった、長い年月の中で作り上げられてきた固定概念を持っています。

そしてそれが「正しい」と、信じて疑わない場合もとても多いものです。

 

でもある日、「A」でなければいけないと思っていたものが、「B」でもなく、「C」でもなく、「8」でもいいじゃん、なんて言われたら?

「数字!Aでもなく、もはやアルファベットでもなく、数字の8でもいいのね!でもたしかにそれでもいけるわ!」

と知った時の解放感と新しい価値観を得た感覚は、とても楽しくないですか?

 

私も結婚して、夫との考え方の違いや価値観の違いで何度も喧嘩したことはありますが、それ以上に救われたこともあります。

そうして今まで作り上げてきた自分とは違った、新しい自分になっていく感覚も味わえるのです。

 

 

つまり、ひとつめの「自分の嫌な部分を肯定してくれる人」というのは、自己肯定感を育んでくれます。

少なくとも咎められたり、否定されたりして、自己否定に引きずり下ろされることはありません。

 

そして、ふたつめの「自分と違う考えや価値観を持っている人」というのは、自分に新しい認識やアイデアを与えてくれます。

もちろんそれが喧嘩のタネにはなることもあるけれど、それはまだ「自分が正しい」と思っている証拠なのかもしれません。

 

時代は進化し、人とのコミュニケーションの方法も随分変わってきましたが、それでも私たちは人と関わらずに生きていくことは不可能です。

でも、どんな人と関わっていくか、どんな人と一緒に過ごしたいか、それは自分で選べるのです。

そしてどんな人と関わり、一緒に過ごすかは、自分自身も変えていくものです。

 

 

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