生理と食欲 ① ~暴走する食欲~
生理前の食欲。
これ、月経のある女性にとって毎月の課題なんではないでしょうか。
課題っていうか、難題ですね。
排卵から月経前の約2週間というのは、プロゲステロンというホルモンの分泌が高まることにより、血糖値が上がりやすい傾向にあります。
プロゲステロンは血糖値を下げるためのインスリンの働きを低下させるため、生理前はインスリンを普段より大量に分泌しないと血糖値が上手く下がりません。
この働きにより、糖の摂取とインスリン量のアンバランスから血糖値の急上昇と急降下を招き、血糖値が乱れやすくなります。
血糖値と食欲は直結しているため、血糖値が乱高下するということは、食欲も不規則になり、暴発する恐れもあるということです。
血糖値はホルモンによってコントロールされているので、ホルモンが乱れるということは、体調不良にも陥りやすいということですね。
また、通常は食事の間隔が4~5時間おきに血糖値は上がり下がりしますが、排卵後から約2週間だけはプロゲステロンの影響を受け、2~3時間おきに血糖値が上がり下がりします。
これが急に食欲が増したり、頻繁に何か食べたくなるという現象が起きる理由です。
しかしこれは女性の正常な生体反応、だから月経前に食欲を抑えるというのはとても難しいのですね。
そして、月経前に塩辛いものや脂っこいものを食べたくなるという現象にも諸説あります。
月経前は細胞内の水分が増えるので、細胞内の塩分濃度を保つためにナトリウム(Na)が必要だからという理由や、月経期に減少するホルモンをつくりだすのに塩分が必要という考え方も。
また東洋医学では、交感神経が高ぶっている時は味覚を感じにくいので、月経前はより味の濃いものを欲するという考え方もあります。
女性ホルモンに伴う体の働きはまだよくわかっていないことが多く、諸説あるのですね。
いずれの理由にせよ、月経前は血糖値の低下しやすい状態だから食欲は出て当たり前です。
だから実は「食べる」のが正解なんです。
月経前に体重が増えるのは主に水分ですので、月経が来たら排泄などで水分が放出されて元に戻るはず。
ただ、何を食べるか、どう食べるかが、その後の体重にもPMSにも影響を残すということをお忘れなく。
ジャンクを食べるにも、できるだけヘルシーなジャンクスナックを食べるようにしましょう。
次回は生理前の食欲と戦わない、ヘルシージャンキーな食べ方についてお話しします。
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