持続可能な「愛」

 

例えば、いまウクライナとロシアのような世界を巻き込む戦禍が起きているとき、なんだか自分が幸せでいてはいけない気持ちになることがあります。

戦争だけではなく、誰かに不幸があった時や、誰かが苦しんでいる時、日常生活の中で、自分は笑顔でいてはいけないんじゃないかと思ってしまうこともあると思います。

誰かの不幸に触れた時、誰かの苦しみに触れた時、満たされた生活をしている自分、恵まれた自分を責めてしまう人もいるかもしれません。

 

でも、それは間違いです。

 

笑顔でいる人が、悲しみや辛さを知らないというわけではありません。

衣食住があり、健康な生活が送っている人が、人の痛みがわからないというわけではありません。

環境に恵まれ、幸せに満ちている人が、誰かの不幸を知らんぷりしているというわけではありません。

 

強く地に足をつけながら笑顔で生きるその奥にある、悲しみや苦しみを感じる力も、誰かを助けたいと願う思いも、確かなものなのです。

どんなに笑顔でも、間違いなくその溢れる思いはあるのです。

 

 

誰かの悲しみに思いを馳せ、苦しみやつらさを分かち合うことは、自分の中に備わった「愛」だと思います。

でも、その「愛」を生み出すためには、笑顔も、健康的で満たされた生活も、幸せを感じる力も必要です。

つまりどんな時も、笑顔でいる自分、満たされている自分、幸せな自分を否定してはいけないし、そんな自分は世界を裏切っていると思う必要もないのです。

 

PMDDのカウンセリングの時に、私は「誰かを助ける前に、まず自分が満たされて元気でいられるようになろう」と言うことがよくあります。

それは、まず自分が笑顔になれる、健康で満たされた生活をする、恵まれていることが実感できる、そんな状況が確保できない限り、誰かを持続的に助けることはできないと思うからです。

 

持続可能な「愛」を生み出す力は自分の中に確かに宿っています。

笑顔でいることを否定せず、満たされることを拒まず、恵まれることを受け容れる、そんな自分になれた時、自分の中から「愛」が溢れ、その「愛」が誰かに届いていくのです。

遠く離れた世界にも、隣にいる大切な人にも。

 

笑顔でいましょう。

世界でどんな不幸なことがあっても。

持続可能な「愛」を届けられるように。

 

 

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